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ペアレント・トレーニング ①

2016.08.30.17:03





療育先で、子どもとのより良い接し方を教えていただけるというので
出かけていった。参加者は10名程、お母さんばかりだった。

息子について事前にメモしてきて下さい、と指示されていた次の3項目を
ホワイトボードに参加者が一斉に書き込んで、眺めながら話し合った。
・絶対に止めさせたい、許しがたい行動
・好ましい、続けさせたい行動
・好ましくない、減らしたい行動

・許しがたい行動
命に関わる危険な事、人や物を傷つけたりする事で、
体を張って止める、警告する、前もってタイムアウトなど罰を決めておく、
などで対応しよう、ということだった。

止める際に、ネガティブな表現を避けて、明確に指示するのがよく、
☓「走らない」→○「歩こうね」、または「STOP!」もいいですね、とのこと。

また、した事だけを否定し、絶対に人格を否定しないこと。
☓『~する子は嫌い』→○『~するのはイケナイ事だよ』
無意識に言ってしまったことがあったように思う。反省。


・好ましい行動
人に優しくできた、宿題やお手伝いがすすんでできた、など。
これはもう、派手に褒めたり、喜んだりして、どんどん続けてもらいましょう。
ご褒美シール等も活用しましょう、とのことだった。


・好ましくない行動
まさに好ましい行動と正反対の内容。
その対応策が参加者を驚かせた。

徹底的に『無視』、反応しない、見もしない、注意もしないというのだ。
そんな野放しじゃとんでもないことになるのでは、と皆ざわついた。

好ましくない行動を注意すると、構ってもらえたと思ってまた繰り返すし、
菓子をあげて気を逸らせば、その行動をとればまた貰えると思う。
注意や注目が『好ましくない行動』を強化する、という理論だ。

怒られがちな障がい児は結果的に自己肯定感が低くなり、
うつ病などの二次障害を起こす確率も高くなるそうだ。
褒める所を褒めて伸ばし、自己肯定感を上げ、良い行動を増やすのが肝要。

宿題をしない時も、「早く」と言わないで待つ。
自分から始めたら褒めまくる、といった具合。
注目はしないけど、行動の様子は見守る必要がある。
それはそれでイライラしちゃいそうだ。ため息ついてしまいそうだが、
それもしない方が良いという。

「完璧にできなくてもいいんですよ。できない日もあってもいいんです。
でもそれを踏まえつつ、翌日からまた仕切りなおすのが大事。」
と言ってもらえたものの、う~ん、できるのだろうか、相当難しそうだ。

当時の私は前途多難さにめまいすら覚えた。
でも、このペアレント・トレーニングの指導がより息子を理解し、
受け容れることができるようになったきっかけになったように思う。



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言語療法士とマンツーマンでのST

2016.08.19.17:28





就学活動の裏で毎月1回の療育に通えることになった。
以前のようなグループワークではなく、
言語療法士さんと1対1で指導をしていただくということで、
全く新しい経験だった。

代わりばんこに積み木を積もうね、と話してから、
しばらく先生が黙って待つ。
すると息子は、
どうしたのかな、ぼくからだったかな、
そもそも積み木を交代で積むって本当に言っていたっけ、
何が悪かったんだろう、などなど
色んな“?”が顔に浮かんでいる。
だが、それを口に出して尋ねることはない。

先生が息子の手に触れて、「ねえねえ、どっちからやる?」と口を開いた。
息子はどうしよう、どうしよう、と焦った顔をしていた。
先生が「じゃんけんで決めようか。」というと
「…どうじょ!」と先に先生からやっていいよと促した。

「じゃんけんがまだうまく覚えられていないんです。」と私が補足した。

「ありがとう、じゃあ、まず先生からね。」
と積み木を積んで、また先生は黙って知らんぷり。
また、息子の“???????”が続く。
しばらくして先生がそっと息子の腕を取って、
先生の別の手をトントンとした。
「『ねえねえ、ボクの番だよ』って言っていいよ。」
「『ねえねえ、積み木ちょうだい』でもいいよ。」
息子はキョトンとしている。

そうかあ、こういう基本的といえるやり取りも息子には難しかったんだ。
自信もなくて、聞き方も分からなくて、困っていたんだなあ。

その日から次のSTまで私が色んな質問して、
息子の答えも用意して「~って言ってみて。」というのを繰り返してみた。
「何するんだっけ?」
「どこいくんだっけ?」
「何がいるんだっけ?」
と少しとぼけて聞いてみて、息子に答えを教えてもらうのもやってみた。
息子の集団生活で、尋ねると暮らしやすくなる問いを
Outputできるようになるといいなあと願いながら。

そのうち、「『わかんない』って言っていいよ。」
というのも必要だとわかった。
「何をどう言ったらいいのか」と静かに固まってパニックだったので。

園の先生に、「この頃嘘をつくようになりました。」
と言われて驚いたのもその頃だった。
「~はもうやったの?」と聞かれてオロオロし、
「やったの?」ともう一度詰問されて、「やった」と答え、
「やってないの?」と聞き直したら、「やってない」と答えたと。
それを聞いて、それはオウム返しという特性で、
聞いた言葉をそのまま返してしまう現象です、
質問の意味が分からなかったか、返事の仕方が分からなかったので、
言いよどんでしまったんだと思います、と伝えたけど、
そんなバカなこと、といった感じで理解してもらえなかった。
とにかくゆっくり優しく尋ねて頂いて、
伝わらないようなら少し簡単な表現に変えて、
もう一度聞いてやって頂ければ有り難いです、とお願いした。
はあ、と答えた先生にあまり期待できなかった。
稚すぎるお願いに聞こえたらしかった。

言語聴覚士や園の先生が相手だと
緊張もあって益々上手く話せないのだろう。
私との会話で自信をつけて、
家の外でも安心して同じ会話ができるようにしよう!
じゃんけんもゆっくりゆっくり教えて、
しばらく、地道に会話練習を積み重ねていった。



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初めての療育

2016.08.05.17:12


年少で初めて受けた療育は3回のグループワークだった。
数人のお子さんとゲーム等をする様子を心理士や言語療法士と見守り、
課題とその改善方法を探るものだった。

指摘されたのは、次のようなことだ。
・ルールが理解できず、競争心がなくお友達への興味が薄い。
共感しながら人と関わりを持つことができず一方通行になりがち。
・質問にオウム返ししたり、他の子と同じことを答えたり、
「どっちが~?」という問いに答えられない。
「わからない」とも言えない時がある。
指示が分からず人の真似をしているので行動が遅れる。
・鉛筆など持ち方、手先の使い方に不器用さが見られる。

運動会のかけっこでは楽しそうに、一番後ろから笑いながら、
最後はゴールとは別の方向へ走って行っちゃったっけ、
と思い出して苦笑いした。
それでも、最後のグループワークでリレーをしたら、
少し反則してまで勝とうとしてみせたので、
初めて闘争心を見せてくれて嬉しかった。

この時の助言を受けて、
「見てみて、お母さんの顔、笑ってないよ、怒っているよ。」など
表情を作ってから注目させ、感情を説明するようにした。
お友達や先生の顔も注視させ、嬉しそうだね、等説明した。

指示はやはり理解できていない場面が多いので、
十分に注意を引いて集中できる環境で簡単な言葉で
図やジェスチャーでも示しながら繰り返しゆっくり伝えると良い、
とのことだった。
肩を叩いてから絵を描いて説明したり、
私が体現して見せたりするように心がけた。

会話の練習をしなくちゃ、と焦っていて、私は息子に質問ばかりしていた。
質問にどう答えていいか分からないのだから、答えられなかった訳だ。
この療育後、答えのサンプルも提示するように改めた。
「お母さんは桃とりんご、どっちが食べたいでしょう?答えは桃で~す。」
「○○くんはどっちが食べたいですか?桃が食べたいですか。りんごですか。」
といった具合だ。

「○○してから△△しようね。」も
どうやって教えようか悩んでいたが、言語療法士から
「体操教室で『平均台を渡ったら跳び箱を越えよう』とかすると分かり易いよ」
と教えてもらった。
実は息子は体操教室に通っていたが、
「○○してから△△しようね。」は分からない。
どうやら言葉での指示がわからないから全く聞かず、
他のお子さんがやっていることを真似ているだけだったようだ。

「どっちがいい?」と「○○してから△△しようね。」
は、なかなか理解してもらえず
毎日何回も例示して、1年以上経って理解してくれた。
一生理解できないのでは?と挫けそうに何度もなったが、
続けないと実らないのだなあ、と実感し、
他の事も諦めず焦らずコツコツやっていこう、という自信にもなった。

検査も受け、精神年齢で9ヶ月、
言語コミュニケーション力は1歳1ヶ月の遅れと言われた。
IQは80前後だった。
3回のグループワーク終了後は、
IQ70以下のお子さんしか療育を受けられない
というのがその自治体のきまりだった。
一年後にまた検査を受けに来てください、と言い渡された。

言語療法士から、公的療育は受ける資格がないけれども、
園では非常に苦労することになると思うから、
個人的に療育を受けることができる私立機関を探すことをお勧めする、
と言われていた。

しかしながら、間もなくまた急な転勤が決まり、
引っ越すことになった。
環境の変化にバタバタしていて、療育先は探すこと無く、
最初の療育で頂いたアドバイスを守りながら暮らしていた。
そうすると、子供も格段に落ち着いて安心して暮らせていて、
言語能力も以前よりスピードを早めて向上している実感があった。

後で知ったのだが、引越し先の自治体では
息子のIQでも公的療育を受けられたのだった。
もっと早く受診させてやればよかった。

しばらくしてその土地の療育センターに問い合わせると、
半年以上先の予約しか取れなかった。
ようやく訪ねた療育センターで、
「就学活動をしてください」と言われるのだった。


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ようこそお越しくださいました。
同じ診断名のお子さんでも、特性は様々ですね。全くご参考にならないこともあるかと思いますが、こどもの笑顔を保ちつつ、できるだけ多くを吸収してくれたら、としてきたことを、綴っていきたいと思っています。

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