障がいのフィルタリングとしての健診
2016.07.28.21:51
就学児健診の時に、私が必要以上に緊張していたのは、
小さい頃の定期健診で他の子にできることが息子にはできないという事実を
まざまざと思い知らされてきたからかもしれない。
私自身も息子の言葉の遅れを指摘されるのを恐れていたので
職員に素直に助けを求められなかったり、
その後切羽詰まってきて助けを求めた時には受け入れてもらえなかったり、
健診には、本当に悩まされ、翻弄された。
3ヶ月健診に行った時はまだ、
「うちの子ってよく泣くよなあ」「みんなお利口さんだなあ」、
「他のお母さん達の方が育児が楽そうだなあ。」、
と思った程度だった。
思えば、すでに息子とは目線が合わなかったし、
抱っこしてもしがみつく事がなく、手はいつもぶらぶら下に下げていた。
一歳半健診では、息子は歩くのがやっとで、質問にも答えられないし、
脱ぎ着がままならないし、診察も大騒ぎだし、
発語が少なすぎることもついに指摘された。
その時の私はとっさに大声で言い返した。
「うちの子はのんびりした性格なんです。余計な心配をしないで下さい。」
今思えば、この時から療育をしていたら、
うちの子ももっと楽に暮らしていたかもしれない。
でも、この時はとんでもない言い掛かりをつけられたようにしか思えなかった。
保健所からもその日は何も言われず、半年経ったら書簡で、
話せるようになった言葉を記入して返送して下さい、と書類が届いた。
書き込んで返送すると、その後特に連絡はなかった。
三歳児健診の時にはもう、逆に相談にのってほしいと思っていた。
職員の方も、では詳しい相談をすぐしましょう、と仰ってくださったが、
急な転勤で他県へ引っ越しせねばならなくなり、叶わなかった。
引越し先の自治体では、三歳半健診というのが行われており、その頃には
既に年少入園した息子が集団生活についていけない事が明白になっていた。
内科検診をしてくれた小児科医に言葉の遅れを相談すると、
「あんた、読み聞かせとかちゃんとしてんの?
聞いてなくても遊んでる横でずっと読まないと。」
と叱られただけだった。
『個人的に相談したい方はお残り下さい』と言われ、
2時間近くご機嫌の悪い息子をなだめながら待った。
「確かに言葉の遅れがあるわね。
園でも大人しいから問題視されないだろうけど、
本人は相当困っているかもね。」と困り感を認めてくださった。
「でもほら、お母さん、上手くやれそうだし、
半年後お電話するから様子を聞かせてね。」
と言語訓練の初歩アドバイスだけして面談を打ち切られた。
崖っぷちで救いを求めて伸ばした手をキャッチしてくれたのに、
結局突き落とされた気持ちだった。
健診所が遠くて、数十分バスに乗っている間、
他のお子さんの30倍くらい大きな声で泣き叫ぶ息子を
白い目で見られながらなだめ続けていた。
ようやく下車した時、息子を抱っこしたまま
私が声を上げて泣いてしまった。
もうギリギリ限界だから助けを求めたのに、
まだ大丈夫、もっと自分で頑張れと言われてしまった。
息子がペシペシ私の頭を叩くので、泣きじゃくりながら顔をみると
「よしよし。よしよし。」と小さく一生懸命呟いていた。
私の頭を撫でてくれていたのだ。
「ごめんね。ごめんね。」といいながら、泣きながら帰途についた。
しかし、このあと1ヶ月程で園の先生から
療育相談に行きませんかとお話を貰った。
「指示が全く通りません。もうお手上げです。」
でも健診で断られたんです、と伝えると、
「園から頼んでみますので、お待ち下さい」と仰ってすぐ、
拍子抜けするほどあっさりと検査やグループワークの予定が決定した。
第三者に療育が必要と判断されることが、
療育を受ける資格というか、優先順位UPの条件なのかもしれない。
でも、それならうちの子のような境界域の子にとって
健診は早期療育の入り口にならないのではないか。
より多くのお子さんが早く支援を受けられるようになることを願ってやまない。

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小さい頃の定期健診で他の子にできることが息子にはできないという事実を
まざまざと思い知らされてきたからかもしれない。
私自身も息子の言葉の遅れを指摘されるのを恐れていたので
職員に素直に助けを求められなかったり、
その後切羽詰まってきて助けを求めた時には受け入れてもらえなかったり、
健診には、本当に悩まされ、翻弄された。
3ヶ月健診に行った時はまだ、
「うちの子ってよく泣くよなあ」「みんなお利口さんだなあ」、
「他のお母さん達の方が育児が楽そうだなあ。」、
と思った程度だった。
思えば、すでに息子とは目線が合わなかったし、
抱っこしてもしがみつく事がなく、手はいつもぶらぶら下に下げていた。
一歳半健診では、息子は歩くのがやっとで、質問にも答えられないし、
脱ぎ着がままならないし、診察も大騒ぎだし、
発語が少なすぎることもついに指摘された。
その時の私はとっさに大声で言い返した。
「うちの子はのんびりした性格なんです。余計な心配をしないで下さい。」
今思えば、この時から療育をしていたら、
うちの子ももっと楽に暮らしていたかもしれない。
でも、この時はとんでもない言い掛かりをつけられたようにしか思えなかった。
保健所からもその日は何も言われず、半年経ったら書簡で、
話せるようになった言葉を記入して返送して下さい、と書類が届いた。
書き込んで返送すると、その後特に連絡はなかった。
三歳児健診の時にはもう、逆に相談にのってほしいと思っていた。
職員の方も、では詳しい相談をすぐしましょう、と仰ってくださったが、
急な転勤で他県へ引っ越しせねばならなくなり、叶わなかった。
引越し先の自治体では、三歳半健診というのが行われており、その頃には
既に年少入園した息子が集団生活についていけない事が明白になっていた。
内科検診をしてくれた小児科医に言葉の遅れを相談すると、
「あんた、読み聞かせとかちゃんとしてんの?
聞いてなくても遊んでる横でずっと読まないと。」
と叱られただけだった。
『個人的に相談したい方はお残り下さい』と言われ、
2時間近くご機嫌の悪い息子をなだめながら待った。
「確かに言葉の遅れがあるわね。
園でも大人しいから問題視されないだろうけど、
本人は相当困っているかもね。」と困り感を認めてくださった。
「でもほら、お母さん、上手くやれそうだし、
半年後お電話するから様子を聞かせてね。」
と言語訓練の初歩アドバイスだけして面談を打ち切られた。
崖っぷちで救いを求めて伸ばした手をキャッチしてくれたのに、
結局突き落とされた気持ちだった。
健診所が遠くて、数十分バスに乗っている間、
他のお子さんの30倍くらい大きな声で泣き叫ぶ息子を
白い目で見られながらなだめ続けていた。
ようやく下車した時、息子を抱っこしたまま
私が声を上げて泣いてしまった。
もうギリギリ限界だから助けを求めたのに、
まだ大丈夫、もっと自分で頑張れと言われてしまった。
息子がペシペシ私の頭を叩くので、泣きじゃくりながら顔をみると
「よしよし。よしよし。」と小さく一生懸命呟いていた。
私の頭を撫でてくれていたのだ。
「ごめんね。ごめんね。」といいながら、泣きながら帰途についた。
しかし、このあと1ヶ月程で園の先生から
療育相談に行きませんかとお話を貰った。
「指示が全く通りません。もうお手上げです。」
でも健診で断られたんです、と伝えると、
「園から頼んでみますので、お待ち下さい」と仰ってすぐ、
拍子抜けするほどあっさりと検査やグループワークの予定が決定した。
第三者に療育が必要と判断されることが、
療育を受ける資格というか、優先順位UPの条件なのかもしれない。
でも、それならうちの子のような境界域の子にとって
健診は早期療育の入り口にならないのではないか。
より多くのお子さんが早く支援を受けられるようになることを願ってやまない。

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