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急速に園に慣れ、伸び伸び過ごす息子

2017.06.23.13:15



園は息子のために慣らし保育から始めてくださった。
数日間、給食にまで私も同席させてもらった。

息子は今までになく張り切っていて、
凄い偏食のため今までの園の給食は
全く食べない日もあったのに、
無表情でパクパクと
苦手な青菜のおひたしまで口に入れていた。

すごい快挙!なので褒めようと思ったが、一方で
頑張りすぎてるのでこれ以上無理をさせたくないな、
とも思って躊躇していたら、
息子の顔がみるみる青ざめていった。

「あ、出していいよ。頑張っちゃったね。」
私が声をかける前に先生が気づいて
口の前に手を差し出して下さった。

息子の様子を注視してくれたこと、
その受け入れ方に、
今まで先生方に期待しないようにしていたのだろう私は
しびれるほどに感動してしまっていた。

翌日から全て少なめに盛り付けて配膳し、
息子が完食しやすくしてくださった。
「全部食べたっ!」とシャウトする息子は
本当に誇らしげで、私も本当に小躍りしたい気分だった。





幼稚園では取り合いに負けてなかなか乗れなかった三輪車。
乗っても協調運動障害で
足首が硬くてペダルを回せなかった息子。

この園では園児総数も少なく、
私が見る限り、三輪車に興味のあるお子さんも少なく、
圧倒的な競争率の低さから
息子がじっくり乗ることができた。

1ヶ月もしない内にちゃんと漕げるようになった。
迎えに行くと「見て~!。」と言わんばかりに
必至に漕ぎまわっている息子を連日見るようになった。





思い通りに行かなかったり、言い負かされたりすると
もともとあまり発語がないせいもあって号泣する息子。
でもこの園では気持ちを汲んで仲裁に入ってくれたので、
息子が目に見えて伸び伸び過ごせるようになった。

小学校生活までに集団生活に慣らさなければ、と
私なりに必至で幼稚園を探してきたけれど、
最終的には、役所の紹介で入れてもらったこの保育園が
息子にとって最良の場だった。

劣悪幼稚園を辞めるのをグズグズ悩んでいた時間が
返すがえすも悔やまれた。
年少からこの園で過ごさせてやれていたら、
どんなに息子が成長できたか計り知れない。

しかし、別居に至らなければ
この園にめぐり逢うこともなかったのだが。

酷く悲惨な気持ちで別居に踏み切ったが、
本当にそれが息子にとって良い結果になり、
私の気持ちも少しずつ晴れ晴れとしていった。

息子が受け入れられる、ということが
私にとって最上の幸福であり、
私の願いもまた受け入れられるということなのだ、
と心の隅々まで染み渡るように実感した。

ひとり親で求職中、子に障がいがある、という状況で
息子が保育園に通う機会を戴いて、
この国の福祉に心から御礼を申し上げたい。
本当にありがとうございました。


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天の助け!4つ目の園へ

2017.06.16.14:47




もう三学期であった。
息子の前では努めて笑顔で穏やかに振る舞っていたが、
家を脱出し、元夫の攻撃をかわしながら
調停の準備も進める私は
精神的に激しく疲弊していた。

年長の三学期から入園させてくれと頼むのは
さすがに我儘かなあ、と弱気になり、
なかなかアクションを起こせずにいた。

ところが、相談していた役所の方が
息子の障がいにも理解があり、

「息子さんのようなタイプは
入学後早く慣れるためにも
集団生活から長く離れない方が良いと思う。」

と言うやいなや、机上の地図を指差した。

「実はこの保育園に急遽空きがでたんです。行きます?」

それはまさに新居のものすごく近くにある保育園。
一緒の小学校に進むお友達もいるかもしれない。
こんな幸運、あるのだろうか。

「…でも、うちの子が通ってもいいですか?」
役所の方はニッと笑って頷いてから
その場で園に電話をして
入園前提の見学アポを取り付けてくれた。

前の幼稚園スタッフの仕打ちに
少々『先生不振』だった私。
しかし、見学先の園長はじめ保育士の先生方も
真摯な姿勢で子どもたちに向き合っていることは
一見して分かった。

大人にだけ営業的に笑顔でへつらう園もあったが、
そんな媚はかけらもなく、でも温かく接してくれた。

サポートブックも抵抗なく読んでくれて、
読み終わった後も、「了解しました。」と
清々しい受け入れ方。

有り難いことに、この保育園に通わせていただけることになった。


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息子にまで及ぶ冷遇

2017.02.23.17:13



収穫した野菜を調理して食べる行事で
偏食の息子が珍しくペロッと平らげ、
「おかわりするっ!」
と調理を続けている園長の元へ走っていった。

微笑ましく少し離れたところから見ていると
「おかわりください!」と大声で言い
器を差し出した息子。
それに対し園長は息子が全く存在しないかのように
調理を続け、全く反応しなかった。

まさか息子にまでそんな態度を取るとは、
衝撃を受け、すぐにワナワナと怒りに震えた。
グラグラとめまいを感じながら息子の元へと走った。
全くめげずに「おかわりください!」を連呼する息子。

私が追いつく前に他のお子さん方がおかわりを頼むと
笑顔で話しかけながらつぎつぎとおかわりを注いでいく園長。
私は息子の背中に抱きつくように駆けつけ、
「息子にもおかわりをお願いします!!」と噛み付くように叫んだ。

しぶとく園長は2人程別のお子さんに先におかわりをしたが
その後、腹立ちまぎれに大きくため息をつきながら
息子の器をブン取って乱暴に注いだおかわりを
明後日の方向を見ながら返してきた。

「おかわりもらえてよかったね!! 偉かったよ!!」
と鼻息荒く吐き捨てながら、息子を回れ右させて席に戻った。
この頃から他のお母さん達からも距離を置かれた。
そりゃそうだろう、
自分も子どもも園長に嫌われたらヤバイと思っただろうから。

理不尽さに震えが止まらなかった。

こうした事柄が日常的に起きていたのだろう…
息子は少し前から
自宅で毎日1~2時間泣き喚き、物を投げ、家具を倒し、
私を蹴ったり殴ったりするようになっていた。

私だけならともかく、息子にもか。
子どもを不幸にしたくて幼稚園教諭を目指したのか。
こんな教育現場が存在するなんて、全く想像もしていなかった。

怒りを通り越して絶望に近い気持ちでその話を夫にすると

「お前が変なこと言うからそういう目に遭うんだ。」

そう言われておしまいだった。

変なこと、とは、障がいがある、ということだそうだ。

私が何年も努力して我慢して維持してきた家庭は
結局こんなに冷たいものにしかなれなかったんだな…。
私を取り囲む全てが理不尽で、
身を切る程冷たいものに感じられた。



ある日、急に数人の先生が笑顔で話しかけてきた。
どういう風の吹き回し?と面食らっていたら
なんてことはない、
その日は園長とその親族のスタッフが出張で不在だった。
他の父兄もたまたまその場にいなかった。

その先生の中の一人がさらに側に来て小さな声でそっと言った。
「お母さん、…あんまり無理しないでくださいね。」

…あなたこそ、
『自分も理不尽な経営者一族の下で
 辛いけれど我慢して働いているんですよ』
なんて顔しながら、
いつまで子どもを苦しめるつもり?

無理をしないで、退園しろということか。

もしかしたらいたわってくれたのかもしれないが、
私はもはやそういう風には考えられなくなっていた。
でもその文句をぶつけるには
私のエネルギーが底をついていて、
「はぁ…。」と半笑いで答えるのが結局精一杯だった。

とりあえずあと数ヶ月で卒園だ。
息子は毎日パニックを起こす。
いいわけがない、この状況。
でも毎日通園はしていて、頑張って続けたい様子でもあった。

新しい環境に移すのも息子には負担だし、
この時期に受け入れてくれる園があるとも思えない。
あったとしても同じ目に合わない保証もない。

入学までどこにも通わずに過ごすことも考えたが、
学校生活に入るまでに
集団生活から遠ざって不慣れにしてしまうのも
それはそれで良くないことに思われた。

毎日毎日悩んでいたが、結局何も行動は起こせず、
転園よりも、なんとか悪夢をやり過ごそうと思っていた時
くすぶっていた家庭内の問題にも火がついた。


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三度目の園選びでの失敗

2017.02.12.17:01



前の園ではお友達も優しくしてくれて、
先生も手厚く支援してくださって名残惜しかったが、
息子はとってもアッサリしていた。
まだまだお友達に興味が薄く、
新しい環境に期待する気持ちの方が強かった。

例によって辞令から転居まで1週間程しかなく、
通園可能な距離に定員に空きがある園が複数あって
ペット可の賃貸物件がある町を全速力で探す。

お利口サンが多い園で、落ちこぼれ感があった息子を見て、
今度はのんびり元気に遊ぶだけの園にしよう、と考えた。

療育をうけた臨床心理士の方からは、
終日自由にしなさいと言われると逆に息子は困ってしまうので、
半日位は一斉活動で大人の指導の下で過ごす園がいいですよ、
と言われたので、それも参考にして決めた。

住む所を決め、現地入りしてすぐ2つの園を見学した。
ひとつは元気園、もうひとつはキリスト教園。
元気園は色んなイベントが目白押し、勉強や楽器はなし。
規律もそんなに厳しくなく、のびのび。

キリスト教園の方が少し大人しい雰囲気。
私自身も教会の園に通っていたとき同様だったが、
先生方がとても優しい印象。
ただ、ミサや事ある毎にお祈りをするのが、
息子には理解することも実行することも難しい事に感じられた。
みんな静かにおごそかにお祈りしているのに
息子が嫌がって立ち歩いたり騒いだりする懸念があった。

今思えば、そんなこと気にせずに
教会園に入れていればよかったかな。
私が選んだのは元気園の方だった。
手続きをする時、「息子は言葉が遅れているので
個別に指示を出すなどの支援をお願いします。」
と言ったら、快諾してくれたが
去り際に園長に言われた一言が頭にいつまでも残った。

「別に障がいじゃないんでしょ?」

障がいと認識していなかった私は「違いますよ」と即答し、
ふむふむ、と笑顔で頷いて園長は去っていった。

慌ただしい中その場ではあまり気にならなかったが
障がいならどうなんだ?と園長の真意を考えあぐね、
棘のように私の意識の中に刺さって残った。



入ってみると元気園というより、わんぱく園だった。
子どもたちが自分たちの問題を自分たちで解決する方針で、
要は、強い子にやりこめられる、
息子はやり込められ続ける園だった。

そんな大事な方針、最初の最初に言えよ。
HPに謳えよ、と本当に腹立たしかった。
方針はさておき、仲介に入ってくれるよう先生にお願いする。
息子は言葉で状況を説明することができない。
見ていてくれないと本当は何が起きたのか先生には分からない。
でも注視してくれる気はない。

説明を聞きながら「~したの?」と息子に確認すると
「…した。」と答える。でも挙動不審なのでもう一度
「~してないの?」と聞くと、「してない。」と答える。
オウム返しだった。

「息子さん、嘘をつくんです。」
と先生にうんざりした口調で言われた。
詳しく聞くと前述のような流れだったので
オウム返しについて説明したが、
はあ~?っというリアクション。

毎日繰り返される子供同士の小競り合いと息子のケガ。
仲介をしてくれるものの的を得ない。
まわりと息子の環境がまったく改善しない。
私自身も丁寧に息子に訪ねても事の次第が鮮明にできないので
サポートしきれていない。
諦めずちょくちょく先生に連絡を取ったが
おざなりにされている感じが満載。

それでも一年が過ぎ、年中が終わった春休み、
たくさんの先生が辞めていった。
親族経営の園でワンマン経営だからだろうと推測できた。

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自治体が園を視察し直接指導―その目覚ましい効果に驚く

2017.01.25.14:00



初めての療育自体も
とても私達親子にとって有り難く有益なものだったけれど、
さらに素晴らしかったのは、
保健所が息子の普段の様子を見に園に足を運んでくれたこと。

普段の様子を観察するのみならず、
先生方にも適切な指導方法を指南して下さったようで、
先生方の接し方が激変した。

おそらく保健所の指導があるまでは、
先生にとっての息子の印象は
“ヤル気のない無礼な子“だったのだろう。

しかし、保健所の指導に抵抗せず、
高い理解力を持って新たな指導方法を実践してくれた
先生方は本当に素晴らしいと思った。

2学期の終わり頃、工作の授業参観に参加した。
授業が始まると息子の横に終始先生が立ち、
ほとんどマンツーマンで手取り足取り教えて下さっている。

他のお子さんは、かなり優秀な子が多いので自分で作業ができ、
息子にかける指示も聞いて、自分に取り入れている様子。
とても統一の取れたクラス運営が出来ていた。

息子もより伸び伸び過ごせるようになったようだ。
側にいて聞きやすくなったからか、
「せんせい、こう?」、「これでいい?」と
質問も頻繁にしている。

他の父兄から見たら、ちょっと異様だったかもしれないが、
私は有難くて涙ぐみながら授業を見つめていたものだ。





3学期になり、劇の発表会が行われた時には
息子が数人いる主役の一人に入っていた。
おいおい、それはちょっと無理があるのでは?
と親の方が苦笑いしたが、
園の方は全く躊躇していなかった。

発語は少ないものの、歌は覚えて歌うことができた息子。
ミュージカルみたいにセリフが殆ど歌になっていたせいか、
「一番に覚えて、他の子を引っ張っていますよ♪」
と先生に褒められた。

本番当日も
セリフも踊りもほぼちゃんと出来ていて、びっくりした。
運動会のことがあって、
私自身あまり期待しないようにしていたのかもしれないが、
息子の演技は本当によく覚えており、なかなかのできだった。

決して泣かせる物語ではなかったのに
じ~んと泣けてきてしまって、
涙は拭わなきゃいけないし、
写真も沢山撮らなくちゃいけないし、
と大変だった。

順調に行き始めた園生活だったが、
皮肉にもまた引っ越しする事になるのだった。


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Author:beamed on
ようこそお越しくださいました。
同じ診断名のお子さんでも、特性は様々ですね。全くご参考にならないこともあるかと思いますが、こどもの笑顔を保ちつつ、できるだけ多くを吸収してくれたら、としてきたことを、綴っていきたいと思っています。

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